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2007年9月15日 (土)

市民メディアサミット'07参加報告(その2)

9/8〜9開かれた「市民メディアサミット'07」の参加報告の続きです。基調講演の後は、いくつかのテーマに沿った分科会が開かれ、僕はそのうち「市民がつくるデジタルアーカイブは、究極の市民メディアだ」に事例報告者の一人として参加しました。

横浜市民メディア連絡会の原聡一郎さんが進行役を務めたこの分科会では、函館・横浜などの事例報告をもとに、都市の歴史的・文化的な素材をデジタル化して蓄積、公開し、後世に継承していく営みとしてのデジタルアーカイブの可能性を議論していくという内容。デジタルアーカイブというと、どうしても技術主導のものとして捉えられがちですが、それを市民による主体的/自律的な情報発信の活動として位置づけるという意味では、従来にない観点だったかと思います。

僕からの事例報告では、函館のデジタルアーカイブ事業「Hakodadigital」(ハコダテジデタル)に関連するものとして、そのネーミングに込められた意図から発端となった公立はこだて未来大学による市立図書館の史料デジタル化の研究、さらに今秋開催する展覧会「縮小する都市の過去・現在そして未来」まで、一連の動きを駆け足で紹介しました。図書館に眠っていた古写真や古地図など、公的なセクターが持つ史料を率先してデジタル化し公開していくことは、一種の「触媒」であり、これからマチに住む人々の間に眠っている記録や記憶を引き出していきながら、マチ全体のアーカイブを集合知的につくっていくことが大きなテーマだという話をしました。

横浜からは、横浜市との連携により進めている市民主導のデジタルアーカイブ事業の報告がなされました。発表者のヒロスケ・グローマンさん(ポートサイドステーション)は「多くの市民から持ち寄られた様々な史料を“マッシュアップ”すると、デジタルアーカイブは新しい価値の創造につながっていく」と語り、「市民によるデジタル化された素材の自在な活用を促進していくためには、知識構造の標準化を図ったり、デジタル化の作業を担うボランティアの育成などが課題になってくる」と指摘していました。これから進める事業の仕組みを非常に明快に示す、勉強になるプレゼンでした。

また、小山紳一郎さん(武蔵大学非常勤講師)は、市民活動のデジタルアーカイブ化という重要な問題を提起されていました。「市民活動の多くは、ニュースレターやイベントのチラシなど、つくって配布するのに終始していて、残念ながらその記録が共有されるようにはなっていない。NPOや市民活動の支援センターがそうした資料のデジタル化を率先して行っていくべきではないか」というご意見は頷くところ頻りでした。

最後に、和田昌樹さん(桜美林大学准教授)がまとめとして、「デジタルアーカイブをつくる活動を、どうやって“楽しみ”ながら進めるか。行政はシゴトとして四苦八苦しながらやらざるを得ないが、市民の側はそれを創意工夫でいくらでも面白く展開できるはず。市民が担い手となり、行政や既成メディアと共生しながらつくっていくデジタルアーカイブは、従来の“知の権威づけ”的なそれとは異なる、人々の暮らしや人生にも直結する“ライフメディア”になっていくのではないか」と語っていました。

ちょうど僕らの分科会の裏番組では、北海道国際交流センター(HIF)の池田誠さんが進行役となって「デジタル時代こそ、活字メディア=紙媒体が必要だ!」という分科会も開かれていました。一見対極的なセッションではありましたが、僕らの分科会でも、資料のデジタル化は必然だとしても、公開する上でまたフィジカルな空間で展示を行ったり印刷メディアとして出版することは非常に重要だという認識で一致していたので、図らずもテーマや議論は交錯していたのではないかと思っています。

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